シ・ド・パは同根

シ・ド・パとはシュート・ドリブル・パスの略です

(1) 原田茂先生

シ・ド・パは原田先生の造語だったかなと。他にも、B+G+9+1、集中の分散など、キャッチーかつ意義深いものがたくさんあります。

原田先生は女子全日本代表ヘッドコーチ、ユニバーシアード日本代表監督などを歴任されたレジェンドと言うべき方であり、鷲野先生、奥田中・坂本コーチを始めとするトップ指導者がたくさん師事されています。


さて、私がジュニア・バスケットボールの真髄に初めて触れる機会となった「第1回ジュニアバスケットボールサマーキャンプ in つがいけ」(2009年夏)で、原田先生がおっしゃったことの一つ。

「床にパスをすればドリブルになり、リングにパスをすればシュートになる。人にパスするのが普通に言うパスだな。」


これはスキルセットを俯瞰してのシンプル化の一例です。指導上も示唆するところがたくさんあると考えますが、いかがでしょうか?


(2) 私の解釈・応用

①シ・ド・パ上達のためのドリルやコツには共通のものがある
②難度的にはド<シ<パであり、ドリブル力の向上が近道になる
③シ・ド・パのうち一つが向上すれば他の二つも当然に向上する

①→例えば、マジック・タッチをパスに応用すると、MAXスピードの片手プッシュ・パスが実現します。ドリブル時にシュートと同じスナップを用いることで、速いボール・スピードとコントロールが得られます。

②→ミニバスの子供達には、まずドリブルが上手になりなさい、リングがなくとも一人でも練習できるよと私はアドバイスします。また、ドリブル・ドリルを多くして、それに組み入れる形でフットワークやパス/シュートも合わせて練習させるようにしています。

③→一番簡単なはずのドリブルが下手では、シュートやパスにも期待できない。ドリブルできない選手は現代バスケットボールでは使えない。こう子供達には言っちゃってます。

より具体的なシ・ド・パの指導技術に関しては次の機会に。


(3) 一段階上のレベルの議論

原田先生の言葉は常にプレーの本質を衝いており、それをベースに指導していくことで子供達のプレーの質が上がっていくのが手に取るように判ります。感覚任せや能力任せでない、なるべくしてそうなる合理的・論理的な指導の結果なのだなと。

なお、シ・ド・パにジョイント・プレーが加わって初めて、ボールマンのオフェンス・スキルが成り立つということに留意してください。ネットにたくさん言及がありますので、ジョイントについては自調自考で。

ジョイント・プレーならびにオフボール・ムーブは、ジュニア期の指導で特に薄くなりがちな印象があり、逆に言うとそこで差をつけるというのは有効なアプローチになります。と言うか、そこを徹底しないと全国レベルには到底到達できません。

以上

2020/5/24