ドリブルは強くではなく速くつく1
ドリブラーの意識と指導時の声がけネットではドリブル系の動画がすごく多いですし、ジュニア選手達をみていても近年一番向上したスキルだと思います。
特に海外のプロの動画を観て気づくのは、①音がすごい、②マルチ目線という2点であり、これらはそのまま私達の指導上のポイントになるでしょう。
しかし!どういう言葉がけをするかでパフォーマンスがものすごく違ってくるのがドリブルなんです。今回はそれを考えてみます。
①ドリブルの音がすごいのは強くついているからでしょうか?
指導現場・指導書を見ると「強くつけ」「床に穴をあける気持ちで」といった声がけが多いことに気づきます (私もかつてはそうでした…)。なぜドリブルを強くつくのか、ここであらためて考えてみましょう。
🏀が手にくっついてコントロールしやすいから?ディフェンスに取られにくいから?
違います。手とボールを一体化させては細かいコントロールが出来ないし、ディフェンスに取られない場所にボールを置くべきなのであって、強くとか低くとかは関係ないです。
🏀を強くつくとボールが早く手元に戻ってくるから?
正解!でも待てよと。ボールが早く戻るためには、強くつくのではなく速くつくべきでは?そう、ボールの強さではなくボール・スピードが重要なはずです。
「強くつけ」と声がけすると子供達はどうするか。腕や肩が主導してボールを真下につこうとしませんか?結果的に腕とボールが一体化してスピードが同じになってますよね。
私は「ボール・スピードをとにかく速く、腕よりもボールを速くしよう」と声がけします。子供達はボールを床にビュンと投げるようになるでしょう。「する」ではなく「なる」、鷲野先生の言葉をお借りすると「やり方より在り方」大切な指導上のキーワードです。
また、肩と腕に加えて手首や指のスナップも活用し(シュートと同じ!)、床にバチン・バチンとボールをぶつけるでしょう。トップレベルの選手はこれをやっているからすごい音が出るんです。
ドリブルは速く、ボール・スピードが大切です。
強くつくように声がけすると、選手の意識はボールを押すことに向かいます。スピードを速くと声がけすると、選手はボールを投げるコース、ならびに最速で弾み上がってくるボールをちゃんと受けることに意識が向くはずです。
こういう意識ができれば、各種のチェンジはどれも本質的に同じであると気づくし、ポケットやプッシュ・クロスなど現代の必須スキルも簡単に身につきます。具体的な指導法はまたの機会に。
次回は②のマルチ目線についてです。