【パスの奥深さ】 11月第3週&第4週のレッスンレポート Part 2 「チームスキル編」 + M2M推進、リーダーシップなど

2020年11月19日〜29日、レッスン#34〜#39

続いてチームスキル編です。

(1) 個人スキル > チームスキル

私は個人スキルの弱さをチームスキルで補うことは潔しとしません。個人スキルを充実させてなお苦戦するようなレベルの試合になってから、チームスキルを活用して個人スキルを活かせるようにしたいと考えているからです。

そういう志向性を持つようになったのは、2015年のJBAによるU12ならびにU15におけるマンツーマン(M2M)推進がきっかけでした。JBAの意図としてそもそも1対1を楽しむ、個人のスキルアップを図るということでしたが、M2M推進でアイソレーションやエース勝負が増えることも予想されたからでした。

オフェンスはスクリーンプレーが増える、ディフェンスはカバ&ローテーションやクローズアウトが整備されるとも予想していましたが、前者はピック&ロール(オンボールスクリーン)がある程度増えるに留まり、後者は3線のディフェンスをミドルラインに縦に並べる変則的な(?)ディフェンスが相当増えただけでした。

ボブキャッツではフィギュアエイトを状況判断の向上のために利用していますが、フィギュアエイトそのものというよりもそこで必要になるチームスキル、例えばタッチダウンパス or DHO、パスミート or フレア、インフロントカット or バックカット、フラッシュ&バックドア or ポストプレーなどを理解したり、これらのチームスキルを構成する個人スキルを磨いたりをより重視しています。


(2) パッシング: シ・ド・パの中で最も難しい?

パスはボディハンドリングとボールハンドリングの延長上にあるスキルとしての側面がある上に、オフェンスとディフェンスのポジショニングとスペーシング(ポジションとスペースではない進行形!)の把握が必須です。

具体的には、ゲームの中のパスは、パサーとそのDEF、レシーバーとそのDEF、カバーポジションに居る/入り得る3人目のDEFなど、5人以上の状況を把握した上で、レシーバーにボールを到達させられるコースに適正なタイミングで投げることになります。書いているだけでハードルの高さが実感される難しい技術なんです。

パスとドリブル/ドライブとの使い分け、オフボールマンの動き方、フラッシュ&バックドアやダイブ&リフトといったタスク化された戦術などとの関連性も強く、予想した通りではありますがなかなか指導が難しいです。

センスの有無に逃げたり運動能力に頼ったりはしたくないので、パスを投げて良いケースとダメなケースを子供たちと一緒に検討しながら、パサーとレシーバーの連携を学んでいるところです。

まあ、上述したように個人スキルの充実が先なので、今はパスに関しても個人スキル的な側面を磨こうとしています。パスをより速く・早く・遠くへ・意図する通りにコントロールして投げるにはどうすれば良いのか?ドリブルからのパスはどうやって出すのが効果的か?自分をマークするディフェンスをかわす方法は(ボールプロテクション、プレッシャーリリース)?

学ぶべきことは山ほどありますが、それだけにとても楽しそうに思えます!


(3) スクリメージ

前回のレポートで「答えはゲームの中にある」(https://bobcats-yokohama.com/blog/111297.html)とコメントした通り、最近はスクリメージを通じて課題や強みを見つけたり、スクリメージの中で有効に使えるスキルを目指したりと、スクリメージがある意味コーチングのための最重要なツールの一つになっている感があります。

また、スクリメージ(試合形式)は4対4がスタンダードになりつつあり、スペーシングやカッティングを整理していく必要が出てきました。同時に、スクリメージの質を下げないためにオフェンスは安易なターンオーバーを無くし、ディフェンスは直線的にドライブされたり簡単に裏を取られないよう、個人スキルを先に整えておきたいと考えています。

更に、フルコートスクリメージになると「トランジション」絡みの状況判断とプレー選択が必要になります。オフェンスの速攻やセカンダリーブレイクはフィギュアエイトの中でカバーする一方で、ディフェンスのバックアップ(ハリーバック)やその前段階の(オフェンス時の)セイフティ&リバウンダーの意識づけなどは最近学び始めたところです。


(4) リーダーシップ

メンバーが増えてきたことで練習時のお手本役や先生役が欲しいのと、スクリメージが「バスケットボール」として上手く機能するためにも、リーダーシップを強調する機会が増えてきました。

学年も経験年数も関係なく、リーダーシップを執れる選手のキャラクターや執るべき場面をコーチとしてより深く理解して、たくさんの子供たちの中にリーダーの素質を育ててあげたいと考えています。

以上