【楽しい面白いは絶対なのか?】 12月第4週〜1月第2週のレッスンレポート +エアボーンタイム、コロナと特別ルール

2020年12月24日〜2021年1月17日、レッスン#46〜#51

年末イベント”横浜ドリーム2020”をはさんだ3週間分(第46回〜第51回)のレッスンのレビューです。当イベントに関してはブログに4回に分けてレポートを掲載しましたので是非ご笑覧ください!


(1) 楽しい面白いは絶対なのか?

①楽しいからこそ上達したいと自分から思うようになり、努力を努力とすら感じず夢中でプレーする中で上達する。育成期の指導の方向性のあるべき形として常に言われることです。

私がフォローしている東京のチームのブログに次のような文章がありました。ここでは部分的な引用となりますが、是非原文をご覧いただければと思います。指導者の志とは、育成とは、深く考えさせる論考がたくさん掲載されています。

「...スポーツに取り組む姿勢にマナー・モラル・スポーツマンシップが整っていないと、そのスポーツに取り組む目的がずれていってしまう危険性が大きくなってしまう...」( http://magic.tokyo.jp/2020/12/28/magic202101/ )


②競技スポーツの場合、楽しい→上手くなりたい→試合で活躍したい→勝ちたいという目標設定の進化(?)が正しい/望ましいとされることが多いです。一直線で分かりやすい正常進化だと思いますが、私はそこにマナー・モラル・スポーツマンシップをどう盛り込むかがより重要だと感じています。

これはまさに年明けにボブキャッツで起こったことで、子供たちもコーチ陣も心が大きく揺れ動きました。結論だけ記しますが、私自身は「子供たちが成長する⇦⇨変わる⇦⇨挑戦する」というテーマを追求したいと思っています。


(2) 最近のレッスンテーマ

①昨年終盤にトライアングルシリーズ(ドリブル、ディフェンスステップ、1対1)を導入して以来、攻守ともにコンタクトを嫌がらない空気ができてきました。

そうなるとスローインやパス回しの際にVカットやIカットは有効でなくなり、シールやLカット、それへのカウンターとしてのCカットが必要になります。ボブキャッツでは”SLCV”という言葉で優先順位をつけています。


②速攻なし、あるいはドリブルなしのスクリメージによって、ディフェンスからのコンタクトにオフェンスが対応する機会を増やしていますが、今度はパスの飛距離やタイミングに物足りなさを感じ、制限なしのスクリメージではトランジションの遅さも気になります。

私の経験上、遠投は特に女子は取り出して練習せねばできません。野球投げを知らない、カーブ回転がついてしまう、ループが出ない、ワンハンドショット的で弱いといった点の修正が必要になります。

子供たちは自分のパスが届く範囲しか見ません。遠投の練習と並行してビジョンは拡がりますが、パスを受ける選手が動くタイミングや方向・スピード・ステップなどが新たに課題となります。これらはまさにパススキルのディテールを成すものです。


③パスを受けるタイミングはディフェンスのポジショニングを決める「エアボーンタイム」が深く関係してきます。これは特に強力で合理的なチームディフェンスを築くには不可欠なコンセプトです。

エアボーンタイムを利用して、ディフェンスは全速力でポジションを調整し、ボールマンにプレッシャーをかけつつオフボールマンへのダイレクトパスを防ぐ態勢をつくろうとします。

オフェンスはそれに対して、ディフェンスのポジション調整を妨げる(例えばスクリーンの利用)ことで対抗できますが、私はディフェンスのポジション調整が完了した直後にオフェンスが動くことを求めています。この辺のことは別レポートで詳しく説明します。


(3) コロナ下の特別ルール

①非常事態宣言を受けてレッスンは20時までに終了する必要がありますし、レッスン内容に関してもコロナ対策を更に徹底することが求められています。

昨夏にも採用した試みの一つとして、スクリメージ時の特別ルールがあります。「全員がファウル4回で大接戦になっていると思ってプレーすること」これだけです。


②ディフェンスにおいてラフ(雑な)プレーやギャンブルをせず、足を使って正しいポジションを維持し続ける。ボール奪取のチャンスを待って、相手のミスを抜け目なく待つ。保持されているボールを獲るよりもリバウンドやルーズボールの確保に集中する。

これだけでディフェンスの質は顕著に高まり、全体的なプレッシャーもより高くなるように感じます。また、リバウンドやルーズボールに消極的な子たちが出てくることで、ボールへの執着の強い子たちはかえって活躍するようになります。

すごく単純ですが効果は想像する以上に大きく、おすすめします。ついでにファウル絡みのルールを詳しく勉強する機会にするのもいいでしょう。

以上