【最後の1mmまで、最後の0.1秒まで】 2月第1週・第2週のレッスンレポート + オープンクリニックの収穫

2021年2月4日〜2021年2月14日、レッスン#57〜#61

 2月第1週・第2週のレッスンレポートです。11日には公営体育館を確保できたのでオープンクリニックを開催しました。
 
 
(1) 先月から導入しているハーフラインルール&エアボーンタイムですが、予想以上の成果に気を良くして(?)引き続き磨いています。
 
①ハーフラインルールに関しては、マイボールになってからの速攻への切り替えが明らかに早まっており、ディフェンスのハリーバックもそれに伴って身についてきました。
 
下級者や初級者はゲーム体力面のネックを感じますが、ここは信じて待つのみです。上級生の次の課題は、ハーフラインルールを曲げて良いシーンなのか、曲げてはダメだが体力がもたなかったシーンなのか、二つの違いを自覚することです。
 
私は「常に100%の力を出すこと」は要求しませんが、ルールを曲げてはダメなシーンではキツくても気力で頑張って欲しいです。やはり気持ちは大事!
 
 
②私は色々な場面で「最後の1mmまで、最後の0.1秒まで」とアドバイスします。
 
例えば、シュートの正確さに難がある子に対しては「最後の1mmまで指先に気持ちをこめて打ち切ろう」、ディフェンスが緩い子には「最後の1mmまで手を伸ばせばスティールできたり、最後の0.1秒まで足で追い続ければ相手がミスしてくれるよ」などと伝えます。
 
ハーフラインルールに関しても、ルールを曲げてはダメなシーンでは0.1秒を競って走り出して欲しいと思っています。その結果上手くいけば疲れなんて吹き飛ぶものですし、相手は体力的にも心理的にも大きなダメージを負うものだからです。
 
 
③エアボーンディフェンスは、速いか遅いかという問題ではなく、適正ポジションの理解を深めることが先決であるようです。1・2・3線やカバー/ローテーションは知っているものの、個々のポジション自体に難があります。
 
ボールマンにはインライン、オフボールマンにはフラットトライアングル、ボールマンがパスに転じたら、ジャンプトゥザボールすることで新たなフラットトライアングルを創る。
 
これはリングに向かってダイレクトにドライブさせず、ボールサイドカットをさせないということでもあります。たったそれだけで、相当上のカテゴリーでも機能する・有用なディフェンス感覚を身につけることができると確信しています。
 
 
④エアボーンアタック(オフェンス)に関しては、先日「エアボーンタイムその後 - 盾と矛でオフェンスを底上げする段階に」(リンクは https://bobcats-yokohama.com/blog/125702.html )というタイトルでブログにまとめました。
 
オフェンス時の意識として、エアボーンタイム中にフェイクムーブ等を入れて、エアボーンタイム終了(=パスがレシーブされてディフェンスがポジション調整を終える)と同時に仕掛けることを新たに求めていますが、さすがに浸透には時間がかかりそうです。
 
フェイクムーブには習慣的・機械的・無意識のフェイクと意図的なフェイクとがありますが、前者は経験を重ねることが必須ですし、後者は演技力が必要=相手との駆け引きに熟達せねばなりません。結局はバスケットボールIQの養成が鍵になります。
 
子供たちのフェイクは急ぎすぎたりみえみえだったりが多いです。動作や体重移動のリアルさを求めれば急ぐ癖は修正できますし、みえみえだからこそ引っ掛かる3拍子のフェイクを強調しながら、駆け引きを楽しめるようにしてあげたいです。
 
 
(2) オープンクリニックでの収穫
 
①ボブキャッツの選手たちがフェイスドライブやドリブルドライブの復習を進める上で、今回のオープンクリニックは嬉しいタイミングでの開催になりました。
 
ドリブルドライブは、シンプルなスキップ、ケンケン/ケンパ、ストップ&ゴーを色々なリズム&スピードで組み合わせ、それにボール操作や重心操作を掛け合わせていくことで、ネットで紹介されているようなスキルはほぼ網羅することができます。
 
子供の場合どんなドリブルムーブでもすぐに真似できるものですが、筋力や体重の関係で低く大きいステップ、急激な重心移動、抜重(抜き浮き)や荷重(キック系)は不得手であることが多いです。その辺は妥協しながらシューティングが多くなるよう配慮しました。
 
 
②子供たちが一番飢えているであろう試合(スクリメージ)の時間をたっぷり取りました。ハーフラインルール&エアボーンタイムによるハイペースゲームの負荷を吟味しながら、2分間のショートゲームから始めて、上級生は最後は4分間x2のハーフゲームまで伸ばすことができました。
 
外部から参加してくれた子供たちからは「たくさんゲームができて良かった」という声が多く聞かれました。ゲームのクオリティも後半に向けて目に見えて高まっていって、連携プレーが飛び出すようになって面白かったです。
 
 
③即席チームで連携を成立させるには、ファーストブレークやセカンダリーブレークの流れを整理してあげるのが効果的です。
 
今回はリバウンド後のアウトレットパス、前線へのスペースパス、つなぎが淀みかけた際のミドルドライブやフラッシュなどを準備ドリル(ツーメンパターン、逆三角形のスリーメン)で整えてみました。
 
 
④ボールマンの意図とオフボールマンの意図がかみ合わされば、初見同士・子供同士でも相当スムースなパッシングオフェンスが実現します。
 
ボールマンは自分の都合でパスやドリブルを選択しない。オフボールマンは他人任せにならない。お互いに意図を持ってプレーするように導くことの大切さを再確認できたオープンクリニックでした。
 
 
以上