コンタクト(身体接触)の取説

まずはポジション確保、次に空いたコース、互角なら自らコンタクト

 (動画はInstagram投稿をご参照ください: https://bit.ly/3CPMVQc )


🏀 日本人選手はコンタクトプレーに弱い、世界との差を詰めるにはジュニア期からコンタクトに慣れるべきだとよく言われます。
 
今回も小学生の地区大会決勝の動画ですが、コンタクトプレーが結構発生しています。しかしこれは、両チームがコンタクトスキルを教わっていてそれに長けているからではありません。
 
お互いに正しく攻め、正しく守ったからこそコンタクトが不可避になった結果だし、正しい攻防ゆえに過度な接触は生じていない点が最も大切なポイントです。
 
ちなみにストーリーズのアンケート結果は、コンタクトプレーでの「ガチンコは得意!」が70%、「痛いから避ける」は30%でした!
 

🏀🏀 ジュニア期は体格差が大きいですし、いつでも誰が相手でも自分からぶつかっていけと指導するのは間違っていると私は考えています。
 
①コンタクトを考える前に、相手に先んじて有利なポジションを取ること(動画1)、リングに向かって空いたコースを察知して侵入すること(動画2)を教えてあげたい。
 
相手がそれに対抗すれば、結果的にコンタクトが生じることはままありますが、それがファウルになれば自分の勝利、ファウルなしにしのげれば相手の勝利。そういう駆け引きを楽しみたい。
 
②もちろん、コンタクトを避けてドリブルで遠回りしたり、ディフェンスがブロックに来るのに無防備にレイアップにいったりするのは賢明なプレーではないです。
 
こういう場合こそ、ディフェンスにコンタクトしてせめぎ合いつつドライブのコースを確保したり、レイアップ直前にコンタクトしてディフェンスが跳びにくくしたりの工夫が活きるでしょう。
 
最初に①を教えて結果的に生じるコンタクトに対処する術を身につけ、次に自らコンタクトすることが必要な局面とそのやり方を学ぶのが、順番としては自然だと考えています。
 

(動画1) ルーズボールは任せろ! 最長身の4番、ドリブラーを正面から受け止めて後ずさっても諦めず、フロアにダイブするボールへの執着が素晴らしい💮 その後も周りのディフェンスが加勢してヘルドボールに!
 
相手ボールのスローインになり、その後のパスカットから速攻。マイボールになった瞬間に全員が走り出している。トランジションが早くて、前線では2対1が出来上がっているのが判ります。
 
(動画2) すり抜ける! スキルの使い分けが上手だが華奢なツーガード。7番がサイドシールでスローインのボールを受けた後、ドリブルを囮にして5番のブラインドカットに左手で綺麗にパス。
 
この場合、右手でパスを出すとDEFにディフレクトされることが多いです。DEFが間合いを詰めてきたら、フックパスも必要になるので、フックショットと合わせて練習します。
 
ジャンプキャッチから技ありの切り返しで1人抜いた後は、ディフェンス2人の間に割り込んでレイアップしてファウルをもらう。味方の2人(4番と6番)のスペーシング&合わせも完璧です!
 

🏀🏀🏀 ドリブラーを正面で受け止めるディフェンスは勇気が要ります。この場合のディフェンスのコツは、相手がスピードアップしないように「自分から前に出ながら」止めること。
 
ドリブラーは横に逃げられなくなるので、ディフェンスにコンタクトしながら減速するしかありません。次の動画ではそんなシーンが連続します。
 

(動画3) 肉弾戦になってきた... 疲れが見え始めてファウル気味。それでも接触を恐れないでプレーできる背景にあるのは強気や闘争心ではなく、お互い(相手チーム)への信頼です。
 
粗暴なプレーや意図的に傷つけるプレーなんてあり得ない、良きライバルだからこそ思い切ってやり合える。ファウル後は相手を気遣ってみたり、子供たちのゲームの雰囲気は爽やかです。
 
地域の選抜チームで一緒に戦ったり、試合後はハグし合ったりお互いにお疲れ!なんて声をかけ合ったり、仲良しで相手へのリスペクトを忘れない姿を見て大人は何を思うのでしょう...



以上