コーチから一言 ① スキルとは重層的なもの

5対5の中でスキルを活かすための方法論

年度末に向けて、久しぶりに個人スキル・個人戦術のアドバイスを連続投稿してみます。
第1回は、一見シンプルなドリブルドライブをトピックに選びました。

ネット上に大量に出回っている単純明快なスキルアドバイスとは異なり、良い意味で面倒くさい(?)辛口のコメントになりそうです!?


🏀 スキルのディテールを整える

(1) 身体づくり(体幹、脚力、腕力 etc.)、動きづくり(ストップ、ダッシュ、ステップ、ジャンプ etc.)、ボールハンドリング、フィニッシュ。

これらに対人の駆け引き・予測・スペーシングを加えた「ディテール(細部・構造)」を整えなければ、スキルをゲームの中で活かすことはできません。

スキルとはこんなにも重層的なもので、簡単に身に付く万能ドリルなんてものは存在しないんです。

例えばドライブであれば、コーンドリルやダミー相手のチェンジ/ポケット等に熟達しただけでは、実戦での突破力にはつながりません。


(2) ボブキャッツのレッスンでは、毎回テーマを決めて多角的にドリルを工夫・重積して実戦的なスキルの定着を図っています。

ドライブであれば、オフボールでの仕掛け〜キャッチ&ショット〜フェイスドライブ〜ドリブルドライブ〜コンタクト&フィニッシュという流れに沿ってドリルを構成します。

更には、カバーDEFへの対処法〜周りの合わせとアシストパス〜タグアップ&リバウンドというように、ゲームメイクに絡めてドリルを積み重ねていくことになります。


🏀🏀 動画を分析してみる

今回のドライブの動画は私のお気に入りの一つで、スキルのディテールがよく整っています。習ったこと全てを理解して自分のものにした上で、工夫を加えて自分の強力な武器にした中3女子選手の努力の賜物です。

 リンク: https://www.instagram.com/reel/CoW7bTnPnVA/ 

なお、動画の選手は左利きですが、巧く右手のスピンムーブを操っています。相手の選手もDEFフットワーク・ハンドワークともにとても上手です。

(1) 動画のプレーを切り分けてみると:
 ①左手ドリブルのヘジテーションから、右手に切り返して急加速
 ②DEFにインラインを押さえられ、間合いも詰められてピンチに
 ③DEFが回り込んでボールを獲りに来たので、オフハンドの左手でDEFを押さえつつ
 ④右手のスピンでポジションを入れ替え、ペイントエリアでストップジャンプショット

(2) それぞれの局面での状況判断としては:
 ①→左手方向はDEFが複数いてスペースが狭い
 ②→DEFのスタンス的に右手ドリブルでは抜き難い
 ③→DEFがやや先行し過ぎたのでスピンのチャンス
 ④カバーDEFが厚いのでストップしてジャンパー

(3) それぞれのスキルのディテール(細部)は:
 ①→ドリブルの緩急の作り方 = 軽めのヘジテーションなので加速しやすい
 ②→右ドリブルであえて攻めてみる = 止められるのを想定しつつ進行
 ③→オフハンドでDEFを押しのけない = 掌底突き&腕横を支点にスピン
 ④→スピン直後のビジョン = ボールを落とす場所&ストップの判断は適切

一見シンプルなスピンムーブからのジャンプショットであっても、そこに至るコート内の情報収集と状況判断、そしてスキルの選択・使い分けは精緻であることに注目したいです。

欲を言えばスピン直前にもDEF越しにインサイドの状況をチェックしたかったです。また、③の局面でDEFが並走していたのなら、違った選択(アウトステップショット等)になったでしょう。


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横浜ボブキャッツバスケットボールクラブ (通称ボブ)

☆2020年8月、コロナ禍の最中にメンバー6人で開校
☆2022年12月時点でメンバーは60人に急増&成長中!
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- バスケ塾(スクール)に加えクラブチームを2023年4月に創設します
- 全国レベルのファンダメンタルズで育成と勝利を両立させます
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