ドリブルドライブの総まとめ

1対1を進化させる (1)

ドリブルドライブとは、すでにドリブルを開始した状態からディフェンスを抜こうとするプレーのことです。4回の体験会とクリニックで集中的に学んできたわけですが、この機会に子供たち向けに整理してみます。

ボールをキャッチした状態からディフェンスを抜こうとするフェイスドライブや、ドリブルを終えてシュートに持ち込むフィニッシュについては今回は触れませんが、ドリブルドライブと同じく重要です。

「ディフェンスをかわしてパスをもらう→フェイスドライブ→ドリブルドライブ→フィニッシュ」という1対1の流れについては、今後のレッスンで細かいポイントを詰めていきますので楽しみにしていてください!


(1) ベースとなる考え方 (その1) 「キャッチしたらまずはフェイスドライブで仕掛ける」 

ボールをキャッチした直後のオフェンスの感覚として、シュートを打てるか、ドリブルで抜けるか、パスが出せるかという3つの可能性を常に観て感じ取って欲しいです。当然ですがシ・ド・パのどれでも素早く実行できる準備をしておくこと。

そしてドリブルで抜くことを選択した場合は、フェイスドライブ(=フェイク&突き出し)でディフェンスを一発で抜くのがベストです。それで抜けなかった時は再び、シュートを打てるか、ドリブルで抜けるか、パスが出せるかという3つの可能性を観て感じ取らねばですね。


(2) ベースとなる考え方 (その2) 「フェイスドライブからドリブルドライブへの切り替え」

まだドリブルを続けながら抜くことを選択した場合は、ドリブルドライブの抜き技を使うことになります。結局、ドリブルドライブを仕掛ける前に、何段階もプレーを選択しているということを忘れないでください。

逆に言うと、ボールをキャッチしてドリブル以外の選択肢を考えずにドリブルを仕掛けたり、フェイスドライブで抜けないのに他の選択肢やドリブルドライブの技に切り替えなえることを意識できないのは、バスケットボールIQ的に問題ありです!

なお、フェイスドライブで抜けずにドリブルドライブに移る際に、ストップ動作が必要になります(抜けなかったのだから当たり前ですが)。単に止まるのではなく、ロールやリバースレッグスルー、パンチストップ、クイックストップ、ドロップステップ&ストップといった複数の目的を持ったストップ方法を学んでいきましょう。


(3) ドリブルドライブには2種類ある 「速いドライブ vs. 観るドライブ」

ひとつは「速いドライブ」でボールをクイックに動かしたりステップを速く踏むことによって、ディフェンスが出遅れるのを期待するもの。1拍子のチェンジ、0.5拍子のドロップステップやシザース、Wステップ、チェンジ直後のドリブルジャブを始め、まだ習っていませんがジョルトドリブルも仲間です。

もうひとつは「観るドライブ」でボールを横や後ろに引いたりステップを増やすことによって、ディフェンスの動きを観察する時間をつくって逆を突こうとするもの。フットスイッチ&ポケット、ツーステップ、スキップ、スタブ、まだ習っていないサイドヘジ等を使います。

「速いドライブ」や「観るドライブ」のボールムーブやステップのすべてに、フェイクを付け加えていくことができます。と言うか、フェイクを織り交ぜていくことで初めて「速いドライブ」や「観るドライブ」が効果的なものになるということを忘れないことです。


(4)2種類のドリブルドライブの組み合わせ方 「観る→速い vs. 速い→速い」

ドリブルドライブでは、上に書いた2種類を組み合わせてディフェンスを出し抜きますが、ディフェンスを抜き去る際は当然「速いドライブ」を使います。したがって、組み合わせとしては「観る→速い」か「速い→速い」が基本になるということを覚えておいてください。

小中学生の場合、トップレベルの女子は「速い→速い」のスピード勝負が中心になりがちな一方、男子はちょっとタメた後にバンと抜きに出る「観る→速い」のパターンで仕掛ける選手が多いです。そうなっている理由を考えてみることをすすめます。

逆に言うと「観る→観る」や「速い→観る」ではディフェンスを抜けません。技を覚えたての頃は、抜けるタイミングなのにポケットやスキップをしてしまってチャンスを逃しちゃうことが結構多いです。


(5) ドリブルドライブの際のフェイクについて

1対1の時にディフェンスは何を考えているのかイメージしてみてください。上手なディフェンスは開いた両足のスタンスの間にオフェンスを入れておこうとするものです。そしてボールの動きにつられず、リングに向かうドライブに対してのみレーンを閉じようとしてきます。

そういうレベルの高いディフェンスに対しては、ドリブルドライブは次の3段階で仕掛けることになり、それぞれの段階でフェイクのチャンスがあります:
 ①「ディフェンスを動かす」ためにスタンスの外側にステップを踏み込む/肩を入れる
→②「ディフェンスの反応をチェックする」ために観るドライブによって時間をつくる
→③「後出しジャンケン」でディフェンスの位置や動きの逆をつき速いドライブで抜く


①においては、ステップの踏み込みや肩入れの動き自体が一つのフェイクになります。この踏み込みや肩入れの手前で、更に一つフェイクを入れておくこともできますね。

②の観るドリブルによってつくった時間は、単に相手を観るだけでなくフェイクを仕込むことができる時間でもあります。目線、身体の向き、ボールムーブやステップの方向やリズム・緩急など、多彩なフェイクをちりばめていくのは楽しいものです!(詳しくは別の機会に)

③で逆を突いてリングに向かう時、上に書いたように一気に「速いドライブ」で勝負を決めに行きます。当然ながら試合であればカバーディフェンスが来るでしょうし、味方はドライブに合わせてチャンスを狙っているでしょう。5対5を意識して1対1を磨いていきましょう。

以上