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【盾と矛】 11月第1週のレッスンレポート + 祝レッスン30回、オールコート vs. ハーフコートなど

2020年11月5日〜11月8日、レッスン#28〜#30

11月第1週を終えた時点で、8月22日の正式開校からレッスンは30回を数えました。7月初頭の第1回体験会から体験会・ミニクリニックを計5回開催していますから、つごう35回の活動があったことになります。


(1) この4か月ちょっとの間のレッスン内容の変遷を振り返ると、とても興味深いことに気づかされます。

初期の頃はフェイスドライブとドリブルドライブの抜き技の紹介が中心で、加えてワンハンドショットを身につけることを目標にしていました。新しい動きや考え方を学ぶ部分が多かったので、時間をじっくりかけつつスキルのディテールは後回しにしました。

その中で、スタンス、ストップ&切り返し、ジャンプ、ボールの片手操作、リズム感やコーディネーション、果ては筋力にまで手を入れる必要性を感じ、身体づくりと動きづくり、ボディハンドリングとボールハンドリングなど、基礎・基本に結局は立ち返ることになりました。


(2) 基礎・基本の向上と並行して個々のスキルのディテールも自然に整うようになるのは大きな発見でした。

基礎・基本が一番大切だから単純でつまらなくても徹底的に練習する、という思考とは少し違います。基礎・基本と応用スキルは同時に高められるしそうすべきで、その作業は難しいけど楽しいものです。「基礎にして初歩にあらず」両者を混同してはいけません。

シ・ド・パは同根とか心・体・技(メンタル・フィジカル・テクニカル)とかの言葉を引くまでもなく、全てのスキルは相互につながっていて、部分部分を取り出して練習するだけではディテールは整いません。それをすごく実感した4か月でした。


(3) そして今週、私たちのレッスンは攻防の原点である「盾と矛」のコンセプトに(ようやく?)辿り着きました。

ディフェンスが厳しいからこそオフェンスが鍛えられますしその逆も真です。強い相手をイメージしてプレーを創ることが大切です。今週はディフェンスの修正を進めながら、強いディフェンスを破るオフェンススキルを創っていくのを目標にしました。

具体的には、ディフェンスフットワーク(適正ポジションの維持)とボディワーク(スタンスバリア&プレッシャー)を強化することで、それに対抗するためのオフボールならびにオンボールのオフェンススキルを磨いていきました。

「盾と矛」をテーマに掲げることに、1対1の抜き技だけでなくバスケットボールの本質を学ぶスクールでありたいという気持ちも込めました。これからも原理原則からブレることなく実戦スキルを追求していきます。


(4) オールコートの攻防とハーフコートの攻防を分けて考えられるようになったのも大きな変化です。

オールコートを往復するだけのドリブルシュートの応酬というミニバスあるある、レベルが少し上がるだけでその割合が激減することは誰でも知っています。ミニバスはバスケットボールではないなどと言われぬよう、高い目標から逆算して今を創らねばなりません。

リングからの距離が違えば攻守ともにスキルが大きく違ってくるのは当然のこと。更にオールコートとハーフコートの攻防の繋ぎ目や攻守の交代局面(トランジション)においてもそうです。丁寧・緻密をモットーにスキルのディテールを詰めていきたいと考えています。


以上のように色々な変遷がありましたが、振り返って整理してみると私たちは遠回りをしたわけでは決してなく、上に書いた全ての段階に大きな価値があったと確信しています。

シンプルにプレーしたい、シンプルに教えたい気持ちはありますが、バスケットボールはそんな単純なスポーツではなく、だからこそ長い時間をかけて上達していくものであり、長くプレーすることに大きな意味があるんです。

生涯バスケは単なる掛け声ではなく、何歳になってもコートに立ちたい、何歳になっても上達が止まらない選手でありたいですね!

以上

2020/11/10

【オフェンスの流れ】 10月第5週のレッスンレポート + メニューの精選、盾と矛など

2020年10月29日〜11月1日、レッスン#26〜#27 

第5週のレッスンは2回のみでしたが、非常に対照的な内容になりました。

(1) 木曜日はフェイスドライブを深掘りしすぎた結果、子供たちが集中し切れませんでした。小中学生ですから理詰めよりも実践主導+声がけに工夫が必要だと痛感しました。

とは言え「内足ないし外足キャッチ⇨フェイスドライブと3拍子フェイク⇨ドリブルドライブと緩急⇨DEFの状況に応じたフィニッシュ」というオフェンスの一連の流れは子供たちの中にビルトインされつつあると感じます。

また、食わず嫌いにならず何でもチャレンジできる点、行動変容を起こし続けている点は高い評価に値すると思います。また、ゲーム形式になるとみんな別人のようになり、スピード豊かで決定力に秀でたプレーができていることにいつもながら感心させられました。


(2) 日曜日は逆に、子供たちに合っていて試合でも使いやすいスキルを厳選して、有能感を得ることを重視しました。県大会を間近に控えているので実戦的な内容に寄せたことも、子供たちが本気モードから脱線せずにやり切れた理由だと思います。

課題は一発目からゲームスピードでプレーできるようになることと、仕掛けやフィニッシュを自由に選べるようにした際に予めプレーを決めてしまわない&状況に応じて変更できるようになることです。

また、紹介されたスキルに関しては、反復による自動化を経て、状況判断による使い分けが出来るようにすること。言い換えれば、形を追うのではなく相手との駆け引きの道具としてスキルを使えるように整えていかねばなりません。


(3)「盾と矛」と言った場合、バスケットボールにおいては盾は防御で矛は攻撃です。盾を鍛えれば矛も強力にならざるを得ないし、矛を鍛えれば盾も頑丈になる必要が出てきます。

ボブキャッツの子供たちは「ゲーム強さ」と言うのか、スキルセットに未熟な部分を残しながらも、それとは対照的にゲームでの決定力や闘争心・積極性はかなり身についています。

もしスキルセットの穴を埋めたり整えたりが出来たなら、競技力は一気に壁を突き破るのではないか?急がば回れ、盾と矛を交互に鍛えながら、これまでの学びを振り返ったり自分の中で熟成させたりする時間をつくっていきたいです。


中学生は開催中の新人戦で、小学生は3日の県大会で、それぞれ活躍を期待しています。直前のレッスンではアドバイスを聴く耳(=心)も開いていて、細部にいたるポイントを意識しながら集中してプレーしてくれました。

磯田コーチから話があったように、声を出すことによってコミュニケーションを高めプレーの質を向上させてください。声は武器であると同時にチームメイトと自分をつなぐ絆なのだということを忘れないでください。

さあ、勝利に向けて最善の努力をしたのであれば、あとはその成果を大切な人達に披露するだけです。みんな頑張れ!

以上

【スクリメージの効能】 10月第4週のレッスンレポート + 実戦感覚、パスについて


2020年10月22日〜25日、レッスン#23〜#25 

第4週のレッスンは、レイアップショット、パッシング、スクリメージの3つにフォーカスしました。

(1) 前週から続いているレイアップショットの集中特訓ですが、状況判断を磨きコンタクトへの対応法を学ぶことで、実戦での決定力を高めることを第一の目的にしています。

基本的な走・跳・投の動きが詰まったスキルなので、オフェンス全体にプラスの影響も期待できます。フリーランではディフェンスの状況を観て、どのフィニッシュスキルを活かすかを考えて欲しいです。

課題としては、多彩なフィニッシュの選択において個人差と好みが出やすく、勝負どころになると以前のフォームに戻る点が挙げられます。SDDLメソッドを活用しつつ、対人練習を通じて経験値を高めつつ引き出しを増やしていきたいです。


(2) パスはチームをつなぐ要になるものですが、シ・ド・パの中で最も難しいスキルと言えます。ターゲットは動き、スペースは変化し、しかもパスの相手もパスコースも複数あります。

また、キャッチスキルが未整備だとパススキルも伸びないので、多面的なアプローチが必要です。今回はわざと取りにくいパスを投げ合う「ノック」というドリルに挑戦してみました。アルバルク東京アカデミーのネットサロンで紹介いただいたもので、月刊バスケットボール1月号に掲載予定とのことです。

子供たちを見ているとパスを投げる・受けるタイミングは上手ですがパス自体がまだ弱く、ビジョンが狭くて目標をガン見しています。原則として「9+1+Goal+Timer」を見るべきですが、これを技術の巧拙としては捉えず全員がおこなえるよう習慣化していこうと考えています。


(3) レイアップ時のコンタクトやカバーディフェンスの配置もそうですが、最新のスキルの紹介に留まることなく、実戦で通用するオープンスキルの獲得をめざしています。実際にディフェンスをおいたドリルを増やし、スクリメージでレッスンを締めるようにしています。

削るようなトレーニングや走り込み等のコンディショニングは確かに合理的ですが、スクリメージを本気でやる中で体力・走力を始めとする運動能力と状況判断力・バスケットボールIQを高めるアプローチを私は採用しています。

対人練習、特に試合形式になると子供たちは目の色が変わりますし、やはり得られるものが多いです。運動能力の偏りが感じられるので、特に未開発なジャンプ、ストップ、投力は引き続き強化対象にしていきます。

以上

2020/10/28