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1対1が一番楽しい!

そう言える選手になるためには

1対1が一番楽しいって言えるくらい上手になろう!」

私が子供達によく言うセリフです。指導者としても、1対1の力さえ充実していれば、チームプレーを教えて機能させるのは容易なことです。

逆に言うと、1対1で勝てないのをチームプレーで補うことも出来るけど、そんなチームは弱い。これも子供達にはよく話すことです。


子供達のバスケットボールのイメージってどんなでしょう?たぶんこんな感じです:

「 ボールをもらってシュートする、すぐに打てないならドリブルで破ってシュートする、それもできないなら味方にパスしてまたボールをもらう、味方がシュートしたら自分がリバウンドを拾ってシュートする 」

これらがまさに1対1の要素となるべきスキルです。気の利く子は、オフボールの動きとか、ドライブへの合わせも必要とかなるでしょうけど、そんなのものはボールマンの1対1を最大限に伸ばしてから心配(?)しましょう。


「ボールで遊んでからだを温めようか!」「シュートの練習しよっ!」「とっととゲームしようぜ!」

私の練習は大きく分けると、この3つのくくりしかありません。で、ここで言うシュート練習は例えばこんな感じになります。

ディフェンスはつけたりつけなかったり、つけたとしても緩く追うだけとか、カバーはポジションを取るだけとかです。:

L・C・Vカットやシールをしてスローインのボールをミート・キャッチ→
キャッチ直後にジャブステップを踏んでクロス・ハンド突き出しで縦にドライブ→
ディフェンスが付いてきたからスキップ&ポケットで反応を見て→
フェイクでミドルドライブで抜く→
そしたら3線がカバーに来るのに気づくから→
それをユーロ・ステップでやっつけながらシュート
(1回のドリブル・シュートにこれら一連の動きを全部盛り込みます)


経験や学年を考慮してスキルセットを選びますが、色々出来るようになってきたらフリーで選ばせるようにします。

低学年や初級者で細かい部分が解らないなら、自分ができるパターンでやればいいし、真似しようとしてくれればOKと言っています。

ディフェンスも一生懸命教えているつもりですが、1対1の攻防をやらせるとエース相手でもオフェンスが勝つことがうちのチームでは多いです。

だからこそ楽しいのだし、スクリメージでもトランジションでもガンガン攻めてシュートしての繰り返しで盛り上がります。


ここ数年間、内外のスキル・コーチの方々から1対1の考え方を中心に学んできました。

最近ようやく指導のポイントが整理されて、子供達のゲームに反映し始めてきた気がします。その辺のことは次回に。

以上

2020/5/27

ドリブルは強くではなく速くつく2

マルチ目線とは?

②マルチ目線という言葉はともかくとして、ドリブルの際にどこをどう見るようにアドバイスしますか?

ディフェンスを見る、リングを見る、対角線のコーナーを見る、首を振ってあれこれ見る、視野角を広げて見る。指導現場ではいろいろな言い方がされています。

はっきりしているのはボールは見ないということでしょう。


でも「ドリブル中はボールを見るな」という声がけは効果的ですか?子供達は素直ですから、一生懸命ボールを見ないようにして、しかも失敗しちゃだめだと感覚を研ぎ澄まそうとします。

結果的にどうなるか。ボールを見ないように顔や視線を上げているものの目は虚ろ、そのくせ脳みそや意識は全部ボールに行っちゃっう。目をつぶってドリブルしてるようなものですから、これを習慣づけてはいけません。

試合での実際を考えてみましょう。ゲーム状況を見るのが最優先ですが、ドリブルが失敗しそうならボールの状態を確かめるし、実際にミスったらボールを探して拾いますよね?


私は「ミスしそうになったらボールを見ていいよ、見なかったらボールがどっかいっちゃうでしょ?」と声がけします。「それ以外はチームメイトを見ながらドリブル。ミスのまきぞえにしたり、まきぞえになったりしないようにね!」と。

失敗しそう/失敗した時はパッとボールを見てリカバーして、またドリブルを続ければ良いのだし、ディフェンスに取られそうならボールをつかんでしまえばいい。あとは失敗を減らすための練習をするだけです。


試合の中のドリブルという観点からは、何を見ながらドリブルをするかのアドバイスはレベルによって大きく異なるのでしょう。

私は基本的に、自分をマークするディフェンスの奥 (リング近くの敵味方)を観ることと、進行方向と逆のコーナー(例えば右ドリブル時は左コーナー)を観ることをドリブラーに(すなわち全員に)求めます。


名ポイントガードの佐古賢一さんは、ドリブル中はコートを上から俯瞰するように見ている感覚を持っているそうです。スキルコーチの中川直之さんの場合は、当然全体を見るが、こうすればああなるという予想すべきパターンをたくさん暗記していると。

これらは既に「観る・見る」のとは別の次元の感覚ですね。いまの私は、どこを・どういう目的で見るかや何を予測するかに関しては、一定の行動・思考を習慣づけるのが良いと考えています。

俯瞰や暗記に比べて習慣づけの方が簡単だというだけでなく、私が大切にしている「戦術のタスク化」にもつながっていくからです。これに関しても、「丸くつく、案内する、開脚」等の最重要ポイントとともに別の機会に触れたいと思っています。

以上

2020/5/26

ドリブルは強くではなく速くつく1

ドリブラーの意識と指導時の声がけ

ネットではドリブル系の動画がすごく多いですし、ジュニア選手達をみていても近年一番向上したスキルだと思います。

特に海外のプロの動画を観て気づくのは、①音がすごい、②マルチ目線という2点であり、これらはそのまま私達の指導上のポイントになるでしょう。

しかし!どういう言葉がけをするかでパフォーマンスがものすごく違ってくるのがドリブルなんです。今回はそれを考えてみます。


①ドリブルの音がすごいのは強くついているからでしょうか?

指導現場・指導書を見ると「強くつけ」「床に穴をあける気持ちで」といった声がけが多いことに気づきます (私もかつてはそうでした…)。なぜドリブルを強くつくのか、ここであらためて考えてみましょう。

🏀が手にくっついてコントロールしやすいから?ディフェンスに取られにくいから?


違います。手とボールを一体化させては細かいコントロールが出来ないし、ディフェンスに取られない場所にボールを置くべきなのであって、強くとか低くとかは関係ないです。

🏀を強くつくとボールが早く手元に戻ってくるから?

正解!でも待てよと。ボールが早く戻るためには、強くつくのではなく速くつくべきでは?そう、ボールの強さではなくボール・スピードが重要なはずです。


「強くつけ」と声がけすると子供達はどうするか。腕や肩が主導してボールを真下につこうとしませんか?結果的に腕とボールが一体化してスピードが同じになってますよね。

私は「ボール・スピードをとにかく速く、腕よりもボールを速くしよう」と声がけします。子供達はボールを床にビュンと投げるようになるでしょう。「する」ではなく「なる」、鷲野先生の言葉をお借りすると「やり方より在り方」大切な指導上のキーワードです。

また、肩と腕に加えて手首や指のスナップも活用し(シュートと同じ!)、床にバチン・バチンとボールをぶつけるでしょう。トップレベルの選手はこれをやっているからすごい音が出るんです。

ドリブルは速く、ボール・スピードが大切です。


強くつくように声がけすると、選手の意識はボールを押すことに向かいます。スピードを速くと声がけすると、選手はボールを投げるコース、ならびに最速で弾み上がってくるボールをちゃんと受けることに意識が向くはずです。

こういう意識ができれば、各種のチェンジはどれも本質的に同じであると気づくし、ポケットやプッシュ・クロスなど現代の必須スキルも簡単に身につきます。具体的な指導法はまたの機会に。

次回は②のマルチ目線についてです。

2020/5/25