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速攻を武器にする

DEFがオールコートに広がっていれば常に速攻は可能!

(動画はInstagram投稿をご参照ください:https://bit.ly/3GsGsxG )


🏀 速攻/ファーストブレイクは、リバウンドやスティールから超速の攻めを狙うだけのものではありません。

3つのマインドセット:
①相手ディフェンスがオールコートに展開している時は、常に速攻を仕掛けるチャンスだと意識する。
②ボールより速いディフェンスはいないし、ボールは疲れない。ボールと人が同時に動けば速攻になる。
③側線速攻、3線速攻、ワンマン速攻を切り替えながら展開すれば、必ずシュートチャンスが生まれる。

🏀🏀 動画1: 今の大学1年生の代の練習試合。相手の1-2-1-1ゾーンプレスを上手く破ってのイージーショット。

スペーシングが良いのでシンプルに攻められていますが、要所要所で正しく状況判断して必然性があるプレーを選択しています。

長身者がスローイン=正解! 近くにも遠くにも自在にパスが出せるので、ディフェンスは慎重になる。

サイドチェンジパス=正解! ボールを振ることで、相手にトラップの機会を与えない。

縦パスせずドライブ=正解! 縦の(側線速攻の)パスコースをDEFが遮ったので、ミドルにドリブルして「3線速攻」に。DEFが答えをくれるという典型例。

0度までボールを落とす=正解! 相手ディフェンスを外に引っ張り出して、中のコースを空けた形になっている。

トレーラーがカッティング=正解! スローインした選手が遅れて入ってきてフィニッシュする、ディフェンスにとって非常に守りにくい展開。

🏀🏀🏀 次の2つの動画は今の高1の代の区大会決勝から。双子のガードコンビが、同じ左サイドからワンマン速攻!

最初の動画の代もそうですが、いつもコートで一緒に過ごした子供たち。全員が練習の虫、スキルがしっかり身についていて状況判断や相手との駆け引きに秀でていました。

動画2: 前掛かりディフェンスに対抗して、スローインから5番のガードがドリブルドライブでサイドライン際を突破しての速攻。

  フロートドリブルでディフェンスを右に寄せてから左に抜きに行く。ここからはずっとフェイクや駆け引きの連続!
⇨ ハーフライン手前では、今度は7番のガードに目線を向けてDEFを寄せて抜き切る。
⇨ ドリブルを左右にチェンジし続けているので、ディフェンスがコースを絞り切れない。
⇨ フィニッシュ時も、パスフェイクを入れてDEFを動けなくして、スキップステップで体を入れ替えてDEFの逆側の左手でシュート。
⇨ コース上にいた6番の味方センターが、サークルムーブで合わせているのも隠れた好プレー!

動画3: 7番のガードがスティールからサイドライン沿いをドリブルで突っ切ってのワンマン速攻。ファンダメンタルズがいっぱい詰まったプレー。

  相手ドリブラーをWチームする際には両手でボールトレース、片手で叩きにいくとファウルになりやすい場面。
⇨ 左サイドをドリブルで駆け上がるが、ハーフラインを越えてからはドリブルを右手に持ち替えている。ミドルレーンの味方へのパスを最速で届けられる正しい選択💮
⇨ ディフェンスが追いついてきたのを見て、急ストップしてミドルドライブに転じる。右手に持ち替えていたので即座に突っ込めている。
⇨ フィニッシュは、ブロードジャンプによる縦の移動距離が長いレイアップで相手をかわしている。オーバーハンドレイアップであれば、ディフェンスと対峙することになったはず。

以上

2021/10/28

JTTB、FTP、FBってな〜に?

賢いディフェンス、気働きのあるオフェンス

(コート図と動画はInstagram投稿をご参照ください: https://bit.ly/3FWOlvg )

🏀この動画を撮影した日は、ディフェンスの「ジャンプトゥザボール (JTTB)」と「フラットトライアングル・ポジション (FTP)」を確認した上で、マンツーマンプレス的な攻防を学びました。

そもそもJTTBとFTPを徹底しなければ、ディナイやカバーといった普通のディフェンスすら機能しません。その上で動画1のドリルでは、ウィングのドライブに対するダブルチーム (Wチーム)とエクスチェンジ (Xチェンジ)を試しています。

WチームやXチェンジを実用レベルに引き上げるだけでなく、カバー&ローテーションの感覚、ベースラインドライブの体を張った止め方、オフェンスの対応の仕方など、今すぐ必要となる攻防スキルを磨くことができます。


🏀🏀まず、最重要なフラットトライアングル・ポジションについてコート図で解説してみます。

(コート図) フラットトライアングル・ポジション (FTP)の概念図です。ボールマンのPGはインライン・ポジションで守り、他のオフボールの4人、例えば逆サイドのPFは「平らな三角形 (点線)」のリング寄りの頂点に位置しています。

インカレ4連覇中の東京医療保健大学の恩塚監督は、ディフェンスがFTPをキープすることで「オフェンスは望む場所でストレートパスを受けることができなくなる」と説かれています。

パスラインを遮られることでオフェンスが外に押し出され、あるいはループパスを強いられることで、リズム良く攻めることが難しくなります。また、パスのエアボーンタイム(滞空時間)が長くなることでDEFポジションの調整も容易になります。


🏀🏀🏀以下は2つの動画の解説です。

(動画1) トップのディフェンスに私が入っており、そこではディフェンスのポジションがどういう目的でどう変化していくか、その場合オフェンスはどう動いてチャンスを創っていけるかを解説しながらプレーしています。

トップのディフェンスは上に書いた通り、インライン⇨JTTB⇨FTPというように移って行って、ボールが移動する度に「平らな三角形」をつくるためにポジションを調整しています。

オフェンスは、0度からのベースラインドライブが阻止されてしまう中、ウィングはドリブラーの後ろに入って助ける「フィルビハインド (fill behind = FB)」をおこないます。ディフェンスの真裏に入らないで、パスコースを確保する必要があるからです。

トップのオフェンスは3Pショットの機会を狙いつつもボールサイドに寄って、ウィングからのリターンパスを受ける体勢を作り、更には逆サイドへのサイドチェンジパスを狙うことになります。


(動画2) 5対5でのスローインの局面です。オフボールのディフェンス4人全員が正しいフラットトライアングル・ポジションを取っており、それはボールが前に進められる最中にもキープされていることが判ります。

FTPによってオフボールディフェンスはマイマンよりもボールに近い位置を占めることになりますから、パスレシーバーには常にプレッシャーがかかり、ルーズボールが生じた際もDEFの方がボールに近い有利な位置取りになります。

ディフェンスリバウンドにおいても、ベースライン側への侵入を防ぎつつリング側のポジションを取りやすいです。近年はオフェンスが「タグアップ (tag up)」してセンターライン側のポジションを取ることが多く、それに対峙するための整合性も取れています。


以上

2021/10/17

小さいチームの戦い方4: ハイポストの活用

ローポストはサイズ勝負、ハイポストは機動力勝負

(動画はInstagram投稿をご参照ください: https://bit.ly/3j5kkPU )

🏀動画のチームは今の高3の代で、チーム最長身が150cm台半ばくらい... それでもチームのオフェンスをデザインする中で、ハイポストプレーは重要な部分を占めていました。

5アウトや4アウト1インの隊形からインサイドのスペースをどう使うかがポイントです。

ガードが上からドライブで突っ込むのも好きでしたが、ハイポストフラッシュで下のスペースを空けて、ハイポストドライブやウィングのバックドアを狙うのが私のお気に入りでした。


🏀🏀動画はハイポストプレーを3つに、エースの5番のプレーハイライトを2つ。

(動画1) ディフェンスと上手く位置を入れ替わってシール→強引にドライブして抜き切れない→縦の移動距離が長いブロードジャンプでずらしてレイアップ。細かい部分で色々な工夫がみられて💮

周りも自分の攻めを狙いつつも「スペーシング」を意識した動きができており、ハイポストにパスが入った瞬間はインサイドがぽっかり空いています!

(動画2) 5番のポストアップから外角の4番にインサイドアウト・パスしてのミドルショット。エースの5番がハイポストでボールを持ったことで、ディフェンス数人に囲まれる。そこで外からのシュートも得意な4番にパスを振った判断がGOOD!

ハイポストよりも下のスペースを広く空けており、4番はベースラインドライブを選択することも可能な状況を創れていました。ポストプレー、ドライブ、ミドルショットの全てができるオールラウンド性が活きています。

(動画3) これも4番のハイポストドライブ。動画1に似ていますが、ボール運びの最中にガードがとっさにハイポストにつなぎ、パスキャッチ&着地と同時にドリブルを入れてトラベリングを避けているのも技あり!

(動画4) センスの良さはタップパス、パススティール、ショットブロックに現れると言われます (by 金沢総合高の前監督の星澤さん)。この動画にもそれが感じられませんか?

フラットトライアングルの正しいDEFポジションとプレー予測、歩きからの瞬間ダッシュでパススティール、その後のドリブルの入れ方とワンステップでのフィニッシュ。全ての行為に意味があり、それをスムースに無理なく実行できています。 

(動画5) 今度は4番がディフェンスを引きつけて、そのブラインドを突いた5番がキャッチ&ショット。こういうシーンを観ると、ワンハンド・ジャンプショットは強力かつ必須との思いを強くします。

私は1年生の女の子でもワンハンドショットしか教えませんし、入部初日からリング下ショットは入るようになります。ドリブルやワンハンドパスとの整合性が取れるし、色々なステップやフィニッシュと組み合わせる際に制限が生じません。


🏀🏀🏀ローポストは身長がないと機能しませんが、スペースが狭く相手に囲まれたポジションのハイポストは機動力が必要です。パス入れが容易で小さいチームでも活用できるので、レギュラーオフェンスの中に加える価値は高いと考えます。

0度/ローポストからハイポストへのフラッシュやボール逆サイドのウィングからの飛び込み(シャローカット)は、ディフェンスにとって非常に守り難いです。ボールマン=パサーが高い位置にいるのでプレッシャーもかけ難く、抜かれやすくもあります。

ハイポストにパスが入り難い場合は、ウィングにパスが入りやすいはずで、UCLAカットに切り替えることができます。ウィングにもパスが入り難い場合は、ハイポストから上に出てトップのガードにハイピックをかけるのが自然です。

以上

2021/10/15